脂肪の吸収を抑えることでダイエット効果が期待できる薬、膵リパーゼ阻害薬。
代表的なのが、処方薬の ゼニカル(120mg) と、市販薬の アライ(60mg) です。
どちらも同じ有効成分(オルリスタット)を含みますが、効果・副作用・入手方法に違いがあります。
この記事では、「ゼニカルとアライの違い」を整理し、どんな人に向いているのかを解説します。
目次
60秒でわかるこの記事のポイント!
- 成分は同じオルリスタットだが、用量が異なる(ゼニカル120mg/アライ60mg)
- ゼニカル:処方薬、脂肪吸収を約30%カット。効果は強いが副作用も出やすい
- アライ:市販薬(要指導医薬品)、脂肪吸収を約25%カット。副作用はやや軽め
- 費用:ゼニカル=処方で月数千円〜1万円強、アライ=薬局販売で30日分8,800円
- まとめ:強力な治療効果を求めるならゼニカル、まず試したい人や軽度肥満にはアライ
共通点
- 有効成分:オルリスタット
- 作用機序:膵リパーゼ阻害 → 脂肪吸収をカット
- 効果:平均2〜3kgの体重減少、内臓脂肪・腹囲の改善
- 副作用:脂肪便・下痢・油漏れ、脂溶性ビタミン不足のリスク
ゼニカル(120mg)の特徴
- 分類:処方薬
- 効果:脂肪吸収を約30%ブロック
- 対象:肥満症治療(BMI30以上、またはBMI27以上で合併症あり)
- メリット:効果が強い、医学的エビデンスが豊富
- デメリット:副作用(油漏れ・下痢)が出やすい、処方が必要
- 費用:自由診療で月7,000〜15,000円程度
アライ(60mg)の特徴
- 分類:市販薬(日本では要指導医薬品)
- 効果:脂肪吸収を約25%ブロック
- 対象:BMI25以上の過体重者から使用可能
- メリット:薬局で購入可能、ゼニカルより副作用がやや軽い
- デメリット:効果はゼニカルより弱め
- 費用:市販薬で6日分2,530円・30日分8,800円
主要ポイント比較表
項目 | ゼニカル(120mg) | アライ(60mg) |
---|---|---|
分類 | 処方薬 | 市販薬(要指導医薬品) |
有効成分 | オルリスタット120mg | オルリスタット60mg |
脂肪吸収カット率 | 約30% | 約25% |
効果 | 体重2〜3kg減(強め) | 体重2〜3kg減(やや弱い) |
副作用 | 油漏れ・下痢が出やすい | 副作用はやや軽め |
対象 | 肥満症(BMI30以上など) | BMI25以上の過体重者も可 |
入手方法 | 医師の処方 | 薬剤師のいる薬局 |
費用目安 | 月7,000〜15,000円 | 月8,800円 |
詳しいまとめ
- ゼニカルは処方薬として本格的な肥満治療に用いられ、効果が強力な分、副作用も出やすい。
- アライは市販薬として販売され、軽度肥満〜過体重の人でも使用可能。ただし効果はゼニカルより弱め。
- どちらも「脂肪を吸収させない薬」なので、脂肪摂取量が多い人には有効。
- 副作用(油漏れ・下痢)を避けるには、低脂肪食との併用が必須。
👉 「しっかり痩せたい・医師管理下で使いたい」人にはゼニカル。
👉 「まず試したい・軽度肥満」にはアライが選択肢となります。
参考文献
※1:Padwal R, et al. “Long-term pharmacotherapy for obesity and overweight.” Cochrane Database Syst Rev. 2004.
※2:Li Z, et al. “Meta-analysis: pharmacologic treatment of obesity.” Ann Intern Med. 2005.
※3:厚生労働省 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ゼニカル 添付文書」
※4:大正製薬「アライ製品カタログ」 catalog-taisho.com
※5:大正製薬「アライ公式ブランドサイト」 brand.taisho.co.jp
※6:St. Angela Clinic「新しい抗肥満薬アライが発売されますが『油漏れ事故』にご注意ください」
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の治療法や薬を推奨するものではありません。
薬の使用には必ず医師や薬剤師の指導に従ってください。健康状態や効果を保証するものではありません。