「運動や食事制限では限界がある」「部分痩せをしたい」「できるだけ短期間で結果を出したい」。
そんなニーズに応えるのが医療ダイエット施術です。
一口に施術といっても、外科的に脂肪を吸引する方法から、冷却・加熱・注射・機器による非侵襲的施術まで多岐にわたります。
本記事では、主要な医療ダイエット施術をすべて整理し、仕組み・効果・副作用・費用・適応をエビデンスとともに解説します。
60秒でわかるこの記事のポイント!
- 医療ダイエット施術は大きく 外科的施術(脂肪吸引) と 非外科的施術(冷却・加熱・注射・機器) に分けられる
- 外科的施術は即効性が高いがリスクも大きい
- 非外科的施術は安全性が高いが効果は限定的で複数回必要
- 部位痩せには「脂肪溶解注射」「クールスカルプティング」などが有効
- どの施術も「リバウンド防止の生活習慣改善」とセットで取り組むことが重要
医療ダイエット施術の分類
1. 外科的施術:脂肪を直接取り除く
脂肪吸引(Liposuction)
- 仕組み:カニューレを皮下に挿入し脂肪を吸引除去
- 効果:即効性が高く、数リットル単位の脂肪を除去可能
- 副作用・リスク:全身麻酔リスク、出血、感染、皮膚の凹凸、色素沈着
- 費用:30〜100万円以上(部位・方法による)
- 適応:大きな脂肪減少を求める人
医療ダイエット施術の中で最も「確実」に脂肪を減らせるが、侵襲度・リスクも最大。
2. 非外科的施術:脂肪細胞を壊す/減らす
クールスカルプティング(Cryolipolysis)
- 仕組み:脂肪細胞を4℃程度に冷却し、自然死(アポトーシス)を誘導
- 効果:治療部位の脂肪が20〜25%減少(※1)
- 副作用:赤み・しびれ・一時的な違和感(稀に「逆肥大」あり)
- 費用:1部位 5〜10万円
- 適応:部分痩せ(腹部・太もも・二の腕など)
脂肪溶解注射(メソセラピー)
- 主成分:デオキシコール酸(DCA)、ホスファチジルコリン(PPC)
- 仕組み:脂肪細胞膜を破壊し、代謝排出させる
- 効果:1回で小範囲の脂肪減少、数回の施術で目に見える変化(※2)
- 副作用:腫れ・赤み・痛み・アレルギー反応
- 費用:1部位 3〜8万円(複数回必要)
- 適応:顎下、二の腕、腹部などの小範囲の脂肪
高周波(RF)痩身
- 仕組み:高周波エネルギーで脂肪細胞を加熱・破壊し、コラーゲン再生も促す
- 代表機器:サーマクール、ヴィーナスレガシー
- 効果:脂肪減少+引き締め効果
- 副作用:赤み、熱感、一時的なむくみ
- 費用:1回 5〜15万円
- 適応:たるみ+脂肪の両方が気になる人
HIFU(高密度焦点式超音波)
- 仕組み:超音波を焦点的に照射し脂肪層を加熱・破壊
- 効果:脂肪減少とリフトアップ効果(※3)
- 副作用:赤み、軽度の痛み
- 費用:1回 5〜20万円
- 適応:フェイスラインや小範囲のたるみ脂肪
レーザー痩身(SculpSureなど)
- 仕組み:1060nmレーザーで脂肪細胞を加熱・破壊
- 効果:脂肪層の厚みを24%減少(※4)
- 副作用:赤み・熱感
- 費用:1回 5〜10万円
- 適応:腹部・腰回りなど
EMS(電気刺激マシン)
- 仕組み:電気刺激で筋肉を収縮させ、運動効果を模倣
- 効果:筋力増強には有効だが脂肪減少効果は限定的(※5)
- 副作用:ほぼなし
- 費用:1回数千円〜数万円
- 適応:リハビリ・部分的な筋刺激目的
各施術の比較表
施術名 | 効果 | ダウンタイム | 費用目安 | 適応 |
---|---|---|---|---|
脂肪吸引 | 大量除去・即効性 | 2〜4週間 | 30〜100万円 | 大幅減量 |
クールスカルプティング | 20〜25%減少 | ほぼなし | 5〜10万円/部位 | 部分痩せ |
脂肪溶解注射 | 小範囲脂肪減少 | 3〜7日 | 3〜8万円/部位 | 顔・二の腕 |
高周波(RF) | 脂肪+引き締め | 数日 | 5〜15万円 | たるみ+脂肪 |
HIFU | 脂肪減少+リフト | 1〜3日 | 5〜20万円 | 顔・フェイスライン |
レーザー痩身 | 脂肪層24%減少 | 数日 | 5〜10万円 | 腹部・腰回り |
EMS | 筋肉刺激 | なし | 数千〜数万円 | リハビリ・補助 |
Q&A/よくある質問
Q1. 医療ダイエットって結局、リバウンドしますか?
A1. 施術の種類に関わらず、リバウンドする可能性は十分にあります。医療ダイエット施術は、脂肪細胞そのものを減らす、または破壊することで「部分痩せ」や「見た目の変化」を促しますが、根本的な食生活や運動習慣を変えなければ、残った脂肪細胞が大きくなったり、別の部位に脂肪がついたりする可能性があります。長期的な効果を維持するためには、施術をきっかけに、健康的な生活習慣を身につけることが何よりも重要です。
Q2. どの施術が一番効果的ですか?
A2. 結論から言うと、一番「確実」に脂肪を減らせるのは脂肪吸引です。ただし、これは外科手術であり、ダウンタイムが長く、リスクも伴います。部分的に少しだけ脂肪を減らしたい場合はクールスカルプティングや脂肪溶解注射、たるみも同時に改善したい場合は高周波(RF)やHIFUなど、目的に応じて最適な施術は異なります。ご自身の悩みとリスク許容度を考慮して、医師と相談しながら決めるのが良いでしょう。
Q3. 施術後のダウンタイムはどれくらいですか?
A3. 施術によって大きく異なります。
- 脂肪吸引:2週間〜1ヶ月程度
- 脂肪溶解注射:3〜7日程度
- 高周波(RF)やHIFU:1〜3日程度
- クールスカルプティングやEMS:ほぼなし
ダウンタイムとは、施術後に日常生活に戻れるまでの期間を指します。腫れや内出血、痛みなどが伴うことがありますので、施術を受ける際は医師にしっかり確認しましょう。
Q4. 施術は痛いですか?
A4. 施術内容や個人の感覚によって異なります。
- 脂肪吸引:全身麻酔で行うため、施術中の痛みはありません。術後に痛み止めが必要なほどの痛みが生じることがあります。
- 脂肪溶解注射:注射時のチクッとした痛みや、注入後の腫れ、熱感を伴うことがあります。
- クールスカルプティング:冷却開始直後は冷たさや吸引される感覚がありますが、徐々に感覚が麻痺してきます。
- HIFU:骨に響くような痛みを感じることがあります。
多くのクリニックでは、痛みを軽減するための麻酔クリームや笑気麻酔を用意していますので、痛みが心配な場合は事前に相談しましょう。
まとめ
- 確実な効果=脂肪吸引(ただしリスク・ダウンタイム大)
- 安全性と手軽さ=クールスカルプティングや脂肪溶解注射
- 美容的引き締め効果も欲しい=RFやHIFU
- 補助的・筋肉強化=EMS
医療施術は「部分痩せ」「即効性」「安全性」など目的に応じて選ぶのが基本です。
ただし、いずれの施術も生活習慣の改善なくして長期的な成功はないことを忘れてはいけません。
参考文献
※1:Dierickx CC, et al. Lasers Surg Med. 2013.
※2:Rzany B, et al. J Drugs Dermatol. 2013.
※3:Fatemi A, et al. Aesthetic Surg J. 2012.
※4:Boey G, et al. Lasers Surg Med. 2017.
※5:Chung J, et al. Ann Rehabil Med. 2016.
免責事項
本記事は医学的知識に基づきまとめていますが、施術の効果・副作用には個人差があります。実際の施術を検討する際は、必ず医師に相談してください。