韓国アイドルの間で定番として知られる「コグマダイエット」
コグマってなんだよ?って話ではあるんだけど
“コグマ(고구마)=さつまいも” を主食に置き換えるだけのシンプルさから、日本でも人気が続いています。
ただ、こんな疑問がよく聞かれます。
- 糖度の高い甘いさつまいもは太りやすい?
- 焼き芋はダメ?
- さつまいもだけで本当に痩せられる?
本記事では、さつまいもの栄養学・血糖値・GI値・レジスタントスターチなどの観点から、コグマダイエットの効果と注意点を “エビデンスベース” で徹底解説します。
60秒でわかる!この記事のポイント
- コグマ(さつまいも)は 白米よりカロリーが低く、食物繊維が豊富。置き換えるだけで満腹感が高まりやすい
- 糖度の高い品種でもOK。NGなのは「量」と「調理法」
- 焼き芋は長時間加熱で糖化が進み、カロリーが増えやすい
- 冷やすと レジスタントスターチ が増え、GI値が下がる
- さつまいもだけでは タンパク質・ビタミン不足 になるため、組み合わせが超重要
- ダイエット向きなのは「蒸す・茹でる・電子レンジ」+150〜200g目安
- 長期で続けると栄養バランスが偏るため、“置き換えの一部”として使うのが最も安全
コグマダイエットとは?
韓国で人気になった「主食をさつまいもに置き換える」シンプルなダイエット法。
白米やパンに比べて 低カロリー・低GI・高食物繊維 のため、満腹感が得やすく、体重管理に向いています(※1)。
甘いさつまいも(高糖度)はNG?【結論:OK。ただし条件つき】
品種ではなく“量と調理法”が重要
さつまいもの糖質量は、品種による差より 調理法による糖化(デンプン→糖) のほうが大きいことが知られています(※2)。
甘い品種=絶対太る わけではない
焼き芋=糖が増えやすい のが本質
つまり、高糖度の「紅はるか」や「シルクスイート」でも
150〜200g+蒸す・茹でる なら問題なし。
なぜ焼き芋は太りやすいの?
● β-アミラーゼの作用で“甘味が増える”
さつまいもを 70〜80℃で長時間加熱すると、デンプンが麦芽糖へ変換 され、甘味が強くなります(※3)。
これは韓国でも「焼き芋はダイエットに向かない」と言われる理由。
- 焼き芋300g → 約400kcal超えることも
- 蒸し芋150g → 約190〜220kcal
量と調理法でカロリー差が大きくなるベジタブルの典型例です。
GI値(血糖値)の観点|冷やすとさらに有利
さつまいもを冷やすと、でんぷんの一部が レジスタントスターチ(難消化性でんぷん) に変化(※4)。
→ 血糖値上昇が緩やか
→ 腸内環境にも◎
コグマダイエットでよく推奨される
「冷やしさつまいも」「前日に仕込む」は理にかなっている。
さつまいも150〜200gで痩せやすい理由
白米150gとの比較
| 食材 | カロリー | GI値 | 食物繊維 |
|---|---|---|---|
| 白米150g | 約250kcal | 高GI | ほぼなし |
| さつまいも150g(蒸し) | 約190〜220kcal | 中GI | 豊富(約2.5g) |
(※数値は文献により多少異なる)
総摂取カロリーが自然に減る → 血糖値が乱れない → 間食が減る
というダイエット向きの連鎖が起きやすい。
NGな食べ方
- 焼き芋を300g以上食べる
- さつまいもだけで1日を終える
- バター・はちみつをかける
- 夜遅くに多量摂取
- 炭水化物はさつまいも“だけ”にする
どれも本質(カロリーコントロール)から外れる。
ダイエットに向いた食べ方
ベストプラクティス
- 蒸す・茹でる・電子レンジ調理
- 1食あたり150〜200g
- 冷やして低GI化
- 皮ごと食べる(抗酸化物質・食物繊維)
- 鶏胸肉・卵・ギリシャヨーグルトなど タンパク質を必ずセット
たんぱく質が足りないと、筋肉量が減り、基礎代謝が落ちて逆効果。
コグマダイエットは“単独では不完全”
コグマダイエットの欠点は明確で、
「タンパク質・脂質・ビタミン不足になりやすい」。
韓国アイドルが使う場合も「短期集中」や「他の食品との組み合わせ」が前提です。
エビデンス的にも長期の極端な食事制限は
- リバウンド
- 生理不順
- 筋肉量低下
- 栄養不足
を招くリスクが指摘されています(※5)。
“賢いコグマダイエットの使い方”
- 主食の一部をさつまいもに置き換える
- タンパク質はしっかり摂る
- 調理法は“蒸す・茹でる”を基本に
- 甘い品種でも150〜200gに収めれば問題なし
- 長期にやるなら、さつまいもは あくまで選択肢のひとつ にする
まとめ
コグマダイエットは、韓国で愛され続けるだけの理由があります。
白米より低カロリーで食物繊維が豊富なため、満腹感が得やすく、血糖値の乱れを抑えやすい。さらに、冷やすことでレジスタントスターチが増え、GI値が下がるという科学的なメリットも。
一方で、よくある誤解である
「甘いさつまいも=太る」というのは正しくありません。
太りやすさを決めるのは 品種より“量と調理法”。特に焼き芋は糖化が進み、カロリーが増えやすいため、蒸す・茹でる・冷やす調理法がダイエット向きです。
ただし、さつまいもだけに頼るとタンパク質や必須脂質が不足するため、長期の置き換えは非推奨。コグマダイエットは「主食の最適化として部分的に使う」ことが、科学的にも実践的にももっとも賢い使い方です。
あなたの生活に合わせて、“太りにくい食べ方としてのさつまいも” を上手に取り入れていきましょう。
参考文献
※1:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※2:Mohan et al., Carbohydrate Research, 2018(さつまいものデンプン構造と糖化に関する研究)
※3:Takahata et al., Journal of Food Science(さつまいもの加熱による糖化変化)
※4:Raigond et al., Food Chemistry(レジスタントスターチの生成とGI値との関係)
※5:長期的な極端な食事制限が筋量・代謝に与える影響:Sports Medicine, 2014 など
免責事項
本記事は一般的な栄養学的知見と研究データに基づいて作成していますが、医療行為・診断ではありません。既往歴・持病・妊娠中の方、極端な食事制限に不安がある場合は、医療機関専門家にご相談ください。




