GLP-1受容体作動薬といえば、「リベルサス」「ウゴービ」「マンジャロ」が代表的です。
どれもダイエット効果が期待できますが、作用の強さ、副作用、服用のしやすさ、そして費用は大きく異なります。
「GLP-1ダイエットの費用相場は?」「どの薬が一番痩せるの?」──そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、それぞれの薬の特徴を整理し、どんな人に向いているのかを比較します。
自分に合ったGLP-1薬を知りたい方はぜひ参考にしてください。
1分でわかるGLP-1薬の比較
- リベルサス:世界初の飲むGLP-1薬。注射が苦手な人向け。減量効果はやや弱め。
- ウゴービ:高い減量効果(10〜15%減)を持つ注射タイプ。肥満症治療薬として日本で承認済み。
- マンジャロ:GLP-1+GIPのデュアル作用で最強クラスの体重減少(20%以上の報告も)。
- 費用目安:リベルサス(月2〜3万円)、ウゴービ(月3〜5万円)、マンジャロ(月4〜6万円)。
- まとめ:まずはリベルサス、効果重視ならウゴービ、強力な減量を狙うならマンジャロ。
各薬の特徴と比較
① リベルサス(経口セマグルチド)
世界初の「飲むGLP-1薬」。毎日の服用が必要ですが、注射に抵抗がある人にとって有力な選択肢です。
メリット
- 注射不要で続けやすい
- 費用は比較的安め(月2〜3万円程度)
デメリット
- 効果は注射薬より弱め(平均体重減少は5〜7%程度)
- 服用ルールが厳しい(朝起きてすぐ少量の水で服用、30分は飲食不可)
- 「効果が出にくい」と感じる人も一定数いる
副作用
- 吐き気・便秘・胃もたれ
- 吐き気対策:服用後の食事量を少なめに、脂っこい食事を控える
② ウゴービ(注射セマグルチド)
週1回の注射で使用。2024年に日本で肥満症治療薬として承認されました。
メリット
- 臨床試験で平均10〜15%の体重減少が報告されている(※1)
- 糖尿病がなくても肥満症治療として使用可能
デメリット
- 注射が必要
- 供給不足のリスクあり
- 保険適用は現状限定的で、多くは自由診療(3〜5万円/月)
副作用
- 吐き気・下痢
- まれに胆石リスクがある
③ マンジャロ(チルゼパチド)
GLP-1とGIPの両方に作用する「デュアルアゴニスト」。最新かつ強力な薬です。
メリット
- 減量効果は最強クラス(15〜20%以上の体重減少報告あり)(※2)
- 血糖改善効果も非常に高い
デメリット
- 吐き気や下痢など副作用が比較的強め
- 費用が高額(月4〜6万円程度)
- 肥満症への正式適応は進行中
副作用
- 消化器症状(吐き気・下痢)
- まれに膵炎の報告あり
GIPとは?
GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)とは?
食事をとったときに小腸から分泌される「インクレチン」と呼ばれるホルモンのひとつです。
主な役割は、血糖値が上がったときにインスリンの分泌を促し、血糖コントロールを助けること。
さらに脂肪組織や中枢神経にも作用し、脂質代謝や食欲の調整にも関与していると考えられています。
GLP-1と同じく食後に働くホルモンですが、GIP単独では肥満症治療効果は弱いとされてきました。
しかし、近年の研究では「GLP-1と同時に作用させると、体重減少効果が強力に高まる」ことが示されています。
この“デュアル作用”を持つ薬の代表例が マンジャロ(チルゼパチド) です。
主要ポイント比較表
項目 | リベルサス(経口) | ウゴービ(注射) | マンジャロ(注射) |
---|---|---|---|
投与方法 | 毎日服用(経口) | 週1回注射 | 週1回注射 |
体重減少効果 | 約5〜7% | 約10〜15% | 15〜20%以上 |
副作用 | 吐き気・便秘 | 吐き気・下痢・胆石 | 吐き気・下痢・膵炎 |
向いている人 | 注射が苦手な人 | 効果を重視する人 | 強力に痩せたい人 |
費用目安 | 2〜3万円/月 | 3〜5万円/月 | 4〜6万円/月 |
詳しいまとめ
- リベルサス:まず試したい人向け。安全性と続けやすさを重視したい人におすすめ。
- ウゴービ:効果と実績を重視する人向け。肥満症治療の第一選択薬。
- マンジャロ:強力な減量を求める人向け。ただし副作用や費用負担も大きい。
👉 いずれも医師の診断と管理が必須であり、「どれが合うか」は体質やライフスタイル、持病によって異なります。
👉 薬だけに頼らず、食事・運動・生活習慣の改善と併用することがリバウンド防止のカギです。
参考文献
※1:Wilding JPH, et al. “Once-Weekly Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity.” N Engl J Med. 2021.
※2:Jastreboff AM, et al. “Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity.” N Engl J Med. 2022.
※3:厚生労働省 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「医薬品添付文書」
※4:日本糖尿病学会「肥満症に対するGLP-1受容体作動薬の使用指針」
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の治療法や薬を推奨するものではありません。
薬の使用にあたっては必ず医師の診断を受け、指導に従ってください。
個人の健康状態や治療効果を保証するものではありませんので、あらかじめご了承ください。