朝のコーヒーやエナジードリンクに含まれる「カフェイン」。
多くの人は「眠気覚まし」としてイメージするかもしれませんが、実はカフェインはダイエットに関しても強力なサポートをしてくれる成分です。
最新の研究では、カフェインが脂肪燃焼の促進、食欲の抑制、運動パフォーマンスの向上に役立つことが報告されています。本記事では、エビデンスをもとに「カフェインとダイエットの関係」をわかりやすく解説します。
60秒でわかるこの記事のポイント!
- カフェインは交感神経を刺激し、脂肪分解を促進する(※1)
- 食欲抑制作用があり、摂取カロリーを自然に減らせる(※2)
- 運動前に摂取すると持久力・筋力の向上が期待できる(※3)
- 効果的な摂取量は1回3〜6mg/kg体重(コーヒー2〜4杯程度)
- 過剰摂取は不眠・心拍数増加など副作用リスクも
カフェインと脂肪燃焼の関係
カフェインは交感神経を活性化させ、ノルアドレナリンの分泌を促進します。これにより**脂肪分解(リポリシス)**が活性化され、体内の脂肪酸が血中に放出されます。
有酸素運動時には、この遊離脂肪酸がエネルギー源として利用されるため、脂肪燃焼効率が高まります(※1)。
補足
「交感神経」とは体を活動モードにする神経で、心拍数を上げたり、脂肪や糖の分解を促す働きがあります。
カフェインによる食欲抑制
一部の研究では、カフェイン摂取により短期的に摂取カロリーが減少することが報告されています(※2)。
これは、カフェインが脳内で満腹中枢に作用することや、胃の排出速度を遅らせることが関与していると考えられています。
ただし、この効果は個人差が大きく、長期的な減量効果に直結するとは限りません。
運動パフォーマンス向上効果
カフェインはスポーツ科学の分野でも広く研究されています。
メタ解析では、有酸素運動能力の向上・筋力発揮の増加・疲労感の軽減などが確認されており(※3)、ダイエット中のトレーニングをより効果的にサポートします。
補足
一般的に「体重1kgあたり3〜6mg」のカフェインを摂取すると効果が期待できるとされます。
例:体重60kgの人 → 180〜360mg(コーヒー2〜4杯程度)
カフェイン摂取の注意点
カフェインは有用な成分ですが、過剰摂取にはリスクがあります。
- 不眠・心拍数の増加
- 胃腸の不快感
- 利尿作用による脱水
安全とされる上限は**1日400mg(コーヒー約4杯程度)**です(※4)。妊娠中・授乳中の方や心疾患を持つ方は、さらに制限が必要とされています。
詳しいまとめ
カフェインは「眠気覚まし」だけでなく、脂肪燃焼の促進・食欲抑制・運動パフォーマンス向上という3つの側面からダイエットを支援します。
特に運動前に適量を摂取することで、脂肪利用率を高めつつ、トレーニング効果を最大化できる点は大きなメリットです。
ただし、摂りすぎは不眠や心臓への負担など副作用につながるため、「体重1kgあたり3〜6mg」「1日400mg以内」を目安にコントロールすることが重要です。
つまり、カフェインはダイエットの「魔法の薬」ではありませんが、適切に使えばダイエットの強力なサポーターになります。
参考文献
※1:Acheson KJ, et al. Caffeine and coffee: their influence on metabolic rate and substrate utilization in normal weight and obese individuals. Am J Clin Nutr. 1980.
※2:Tremblay A, et al. Effect of caffeine on the energy balance. Am J Clin Nutr. 1988.
※3:Grgic J, et al. Effects of caffeine intake on muscle strength and power: a systematic review and meta-analysis. J Int Soc Sports Nutr. 2018.
※4:EFSA Panel on Dietetic Products. Scientific Opinion on the safety of caffeine. EFSA Journal. 2015.
免責事項
本記事は一般的な健康情報を提供するものであり、医学的アドバイスではありません。体質や健康状態によってカフェインの影響は異なるため、摂取に不安がある方は必ず医師にご相談ください。