ポストバイオティクスとは?腸活を進化させる注目成分を科学的に解説

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腸活の新常識「ポストバイオティクス」

「腸活」や「腸内フローラ」といった言葉が当たり前になった今、次に注目されているのが ポストバイオティクス です。

これは単なる健康ブームではなく、

  • 腸のバリア機能
  • 免疫調整
  • 代謝の改善
  • メンタルケア

など、全身に影響を及ぼす「腸内細菌の代謝産物」として、研究者の間でも注目が高まっています。

ただし、この分野はまだ発展途上であり、すべての効果が確立されているわけではないことも理解しておく必要があります。

目次

60秒でわかるこの記事のポイント!

  • ポストバイオティクスは 「不活化(inanimate)微生物+その成分の“調製物”」(精製された代謝物“だけ”は別枠)
  • 期待される作用は「腸バリア」「炎症」「代謝」「腸脳相関」ただしエビデンスの強さに差がある
  • まずは食事(プレ×発酵食品)で**腸内で“作らせる”**のが本筋
  • サプリは「菌株・不活化方法・臨床データ・品質管理」が見えるものだけ
  • 持病・薬がある人、体調が不安な人は自己判断で使わない

ポストバイオティクスとは?その正体と主な成分

▶ 定義

ポストバイオティクスとは、腸内細菌が作り出す、有益な代謝産物や死菌体のことです。

国際プロバイオティクス・プレバイオティクス学会(ISAPP)は、2021年に以下のように定義しています:

「宿主に健康効果をもたらす、不活性微生物の調製物および/またはその成分」(※1)

重要なのは、生きた菌(プロバイオティクス)でなくても健康効果が期待できるという点です。
これにより、保存性や安定性に優れたポストバイオティクスサプリメントの開発が進んでいます(※7)。


▶ 主な種類と働き

種類主な働き研究の進展度
短鎖脂肪酸(SCFA)酢酸、酪酸、プロピオン酸抗炎症、腸上皮のエネルギー源、代謝改善★★★(確立)
細菌由来ペプチドバクテリオシンなど抗菌作用、免疫調整★★☆(研究中)
細胞壁成分ペプチドグリカン、リポタイコ酸など免疫活性化、抗アレルギー★★☆(研究中)
死菌体(加熱乳酸菌など)ビフィズス菌や乳酸菌の死菌腸内環境改善、免疫調整★★☆(研究中)

プロ・プレ・ポストの違い

区分ざっくり定義代表例
プロバイオティクス生きた微生物で健康効果が示されるものヨーグルト由来乳酸菌など(菌株レベルが重要)
プレバイオティクス腸内細菌に選択的に利用され健康効果が示される基質食物繊維、オリゴ糖など
ポストバイオティクス不活化微生物+成分の調製物で健康効果が示されるもの加熱乳酸菌など(※菌株・製法・根拠が重要)

科学で証明されたポストバイオティクスの健康効果

1. 腸のバリア機能を強化する【確立された効果】

酪酸などの短鎖脂肪酸は、腸管上皮細胞のエネルギー源となり、タイトジャンクション(細胞間結合)を強化します(※2)。

用語ミニ解説
タイトジャンクション:腸の細胞同士の“つなぎ目”。ここが緩むと、未消化物や刺激物が入りやすくなるイメージ。

期待される効果:

  • 腸管透過性(リーキーガット)の改善
  • アレルギー反応の軽減
  • 炎症性腸疾患(IBD)の症状緩和

2. 炎症を抑制する【ある程度確立された効果】

酪酸は、炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-α)の抑制と、抗炎症性サイトカイン(IL-10)の増加を促すことが報告されています(※3,4)。

期待される効果:

  • 慢性炎症の軽減
  • アレルギー症状の改善
  • 炎症性疾患のリスク軽減

3. 代謝改善への貢献【研究進行中】

短鎖脂肪酸(SCFA)は腸内分泌細胞に作用し、**満腹ホルモン(GLP-1、PYY)**を分泌させることで、食欲抑制や血糖安定に寄与するとされます(※5)。

期待される効果:

  • 食欲の自然な調整
  • インスリン感受性の改善
  • 体重管理のサポート

注意点:
ヒトでのエビデンスはまだ限られており、大規模な臨床試験が必要です。


4. メンタルヘルスへの影響【初期研究段階】

ポストバイオティクスによる腸脳相関への影響が注目されつつありますが、この分野はまだ初期段階です(※6, ※8)。

研究で示唆される効果:

  • ストレス反応の調整
  • 気分の安定化
  • 睡眠の質の改善

メンタルケアへの利用を目的とする場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。


効果的な摂取方法|腸活に取り入れるには?

① 自分の腸内で「つくらせる」方法

ポストバイオティクスは、プレバイオティクスとプロバイオティクスの組み合わせで自然に腸内で産生されます。

▶ 必要な栄養素と食品例

水溶性食物繊維(プレバイオティクス):

  • わかめ、昆布などの海藻類
  • オートミール、大麦
  • 玉ねぎ、ごぼう、にんにく
  • りんご、バナナ

不溶性食物繊維:

  • 人参、大根などの根菜類
  • きのこ類
  • 豆類、玄米

発酵食品(プロバイオティクス):

  • ヨーグルト、ケフィア
  • 納豆、味噌、ぬか漬け
  • 醤油、酢、キムチ

▶ 推奨摂取量:

  • 食物繊維:1日20〜25g
  • 発酵食品:毎日何かしら1品

② サプリメントでの補給

近年は、短鎖脂肪酸・死菌体乳酸菌(加熱乳酸菌)を配合した腸活サプリが増えています。

▶ メリット

  • 保存性と安定性が高い
  • 一定量の摂取がしやすい
  • 食事で補えない方に有効

▶ デメリット

  • 品質にばらつきがある
  • 科学的根拠が弱い商品も存在
  • 長期的な安全性データが不足しているものも

▶ サプリ選びのポイント

  • 第三者機関の認証あり
  • 臨床データや論文がある
  • 成分と濃度が明記されている
  • GMP準拠の工場で製造された製品

安全性と注意事項

  • 食物繊維を急に増やすと、張り・下痢が出ることがあります(増やし方はゆっくり)
  • 持病がある/薬を飲んでいる/妊娠中/重い胃腸症状がある人は、自己判断でのサプリ追加は避け、医療者に相談してください
  • 「効く人もいる」=「誰にでも効く」ではない(製品差・個人差が大きい)

よくある質問(FAQ)

Q1. 死菌(加熱乳酸菌)=ポストバイオティクス?

可能性はあります。
ただし、ISAPP定義では「不活化微生物+成分の調製物」かつ「健康効果が示されること」が条件。“死菌が入ってるだけ”では足りない点が重要です。

Q2. 酪酸サプリ(短鎖脂肪酸)はポストバイオティクス?

多くの場合、酪酸“だけ”ならポストバイオティクス定義には入りません(精製代謝物のみは除外)。
ただし、腸内で酪酸を増やす食事戦略は有用です。

Q3. どれくらいで効果が出る?

個人差が大きく、目的にもよります。まずは食事改善を2〜4週間くらい続けて体感を見て、サプリは必要なら補助で。

Q4. お腹が張るのは正常?

食物繊維を増やした直後は起こりがち。量を少し戻して、段階的に増やすのが安全。

Q5. 毎日とった方がいい?

腸活は「短期でドカン」より「毎日少し」を推奨。続く形が正義。

Q6. どんな人は注意?

持病・薬・妊娠中・強い症状がある人は、自己判断のサプリ追加は避けてください。

まとめ|ポストバイオティクスは腸活の“次の一手”

ポストバイオティクスは、腸内細菌が作り出す有益な代謝産物や死菌体の総称で、次世代の腸活として注目されています。


✅ 現時点で確立していること:

  • 短鎖脂肪酸(酪酸)の腸バリア改善効果は明確
  • 腸内環境の改善には、食事ベースの腸活が最も効果的
  • 腸活には「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」「ポストバイオティクス」の3本柱が重要

✅ 今後に期待されること:

  • より多くのヒト臨床データの蓄積
  • サプリメントの品質標準化と個別最適化
  • メンタルヘルスや代謝疾患への応用

まずは毎日の食事から、腸内環境を整える習慣を始めてみましょう。
そして必要に応じて、信頼できるポストバイオティクスサプリの活用を検討するのが、科学的に正しい腸活の実践です。


参考文献

※1:Salminen S, et al. (2021). “The ISAPP consensus statement on the definition and scope of postbiotics.” Nat Rev Gastroenterol Hepatol.
※2:Peng L, et al. (2009). “Butyrate enhances intestinal barrier via AMPK activation.” J Nutr.
※3:Zhou L, et al. (2017). “Butyrate suppresses pro-inflammatory cytokine expression.” World J Gastroenterol.
※4:Tan J, et al. (2014). “The role of SCFA in health and disease.” Adv Immunol.
※5:Canfora EE, et al. (2015). “SCFA in control of body weight and insulin sensitivity.” Nat Rev Endocrinol.
※6:Dalile B, et al. (2019). “SCFA in microbiota–gut–brain communication.” Nat Rev Gastroenterol Hepatol.
※7:Aguilar-Toalá JE, et al. (2018). “Postbiotics: An evolving term within the functional foods field.” Trends Food Sci Technol. 75:105–114.
※8:Żółkiewicz J, et al. (2020). “Postbiotics—A Step Beyond Pre- and Probiotics.” Nutrients. 12(8):2189.

免責事項

本記事は健康情報の提供を目的としたもので、医療行為・診断・治療を代替するものではありません。症状がある場合、持病がある場合、薬を服用中の場合は、医師・薬剤師など医療専門職に相談してください。サプリメントの利用は自己責任で行い、体調に異変があれば直ちに中止し、医療機関を受診してください。

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