チートデイよりも「計画的リフィード」を|代謝維持に科学的アプローチ

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結論:爆食いは逆効果。炭水化物中心のリフィードが有効!

ダイエット中の「チートデイ」で爆食いしてしまうと、かえって脂肪を溜め込みやすくなる可能性があります。
一方、計画的に炭水化物を増やす「リフィード」は、代謝低下やホルモンバランスの乱れを防ぐ科学的な手段です(※1)(※2)。
停滞期にうまく導入することで、減量を再加速させることができます。


チートデイ vs リフィード|何が違う?

項目チートデイリフィード
内容好きなものを大量に食べる(高脂質・高糖質)炭水化物を計画的に増やす
目的メンタルリフレッシュが中心レプチンなどのホルモン調整・代謝維持
タイミング気分やご褒美的に停滞期・代謝低下の兆候が出たとき
リスク脂肪増加、暴食の習慣化管理すれば脂肪増加のリスクは低い

リフィードの科学的メカニズム

✔ レプチンの回復で「脂肪燃焼モード」を再起動

ダイエット中は摂取カロリーの制限により、レプチンというホルモンの分泌が減少します。
炭水化物を増やすことでレプチン値が一時的に上昇し、代謝が回復することが研究で示されています(※1)。
また、**代謝が落ちる現象(アダプティブ・サーモジェネシス)**を緩和する効果も報告されています(※2)(※3)。

🧠 レプチンとは?

レプチンは主に脂肪細胞から分泌されるホルモンで、脳の視床下部に作用して食欲を抑制し、エネルギー消費を促します。
「満腹ホルモン」とも呼ばれ、体脂肪量に比例して分泌されます。
ダイエットで摂取カロリーが減ると、レプチン値も低下し、食欲が増加・代謝が低下するという“飢餓モード”に入ります。


🔥 アダプティブ・サーモジェネシス(適応性熱産生)とは?

減量によって起こる、予想以上の代謝の低下現象のことです。
例えば、体重が落ちた分だけ消費カロリーが減るのではなく、それ以上にエネルギー消費が抑えられてしまう現象が観察されます。
これは**ホルモン変化(特にレプチンや甲状腺ホルモン)**や、自律神経の調整によって起こり、停滞期やリバウンドの原因にもなります。


リフィードのやり方|タイミング・頻度・摂取内容

🔸 タイミング:減量の停滞期にピンポイント導入

ダイエットを続けていて、体重や体脂肪が落ちなくなった時期が最適です。

🔸 頻度:体脂肪率に応じて調整

  • 体脂肪率20%以上 → 月1回程度
  • 体脂肪率15〜20% → 2〜3週に1回
  • 体脂肪率10〜15%以下 → 週1回

🔸 内容:炭水化物中心でカロリーを一時的に増やす

  • 摂取カロリーはTDEE(総消費カロリー)と同等かやや多め
  • 脂質は控えめ、たんぱく質は維持、炭水化物を重点的に(PFCバランス例:P25%・F10%・C65%)摂取しレプチンやエネルギー消費を刺激します(※1)(※3)。

まとめ:感情ではなく「戦略」で代謝を操る

  • ✅ チートデイで爆食いすると逆効果になりやすい
  • ✅ 計画的な炭水化物補給「リフィード」で代謝・ホルモンを調整
  • ✅ 減量停滞期の打破に有効な戦術
  • ✅ 頻度・内容は体脂肪率と状態に応じて設計

参考文献

※1: Dirlewanger M, et al. (2000). Effects of short-term carbohydrate or fat overfeeding on energy expenditure and plasma leptin concentrations in healthy female subjects. Int J Obes Relat Metab Disord, 24(11):1413–1418.
※2: Müller MJ, et al. (2016). Adaptive thermogenesis with weight loss in humans. Obesity, 24(6): 1110–1118.
※3: Trexler ET, et al. (2014). Metabolic adaptation to weight loss: implications for the athlete. J Int Soc Sports Nutr, 11(1):7.

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