「腸に良さそうだから、乳酸菌サプリ+オリゴ糖も一緒にいこう!」
…で、お腹がパンパンに張って終了。これ、ほんと多いです。
シンバイオティクスは“ちゃんとハマれば強い”一方で、入れ方を雑にすると張り・ガスで挫折しやすい。
この記事では、シンバイオティクスを
- そもそも何か(2タイプ)
- 相性の良い組み合わせ例
- 張りやすい人の組み方(少量・段階)
- サプリ併用の注意点
まで、腸活目線で「失敗しない形」に落とします。

60秒でわかるこの記事のポイント!
- シンバイオティクスは「生きた微生物+それを選択的に利用される基質の組み合わせで、健康利益があるもの」という定義が提案されています(※1)
- 2タイプある:
- 補完型(complementary)=プロ+プレが“別々に”働く
- 相乗型(synergistic)=プレが“その菌に食べさせる設計”
(※1)
- 補完型でも「組み合わせとして健康利益が確認されないと“synbioticと名乗るべきでない”」という整理があります(※1)
- 併用で張りやすいのは普通。健康成人の試験でも最初の2週間に張り・ガスが出やすかった報告があります(※2)
- IBS傾向などは当たり外れが大きい。IBSガイドラインではプロバイオティクスを“全体症状”目的で推奨しない提案もあります(※3)
シンバイオティクスとは(2タイプも説明)
ISAPP(国際プロバイオティクス&プレバイオティクス学会)のコンセンサスでは、シンバイオティクスを
「生きた微生物と、宿主微生物に選択的に利用される基質の混合で、宿主に健康利益をもたらすもの」
として整理しています(※1)。
そして重要なのが 2タイプ。
補完型(complementary synbiotic)
- プロバイオティクス(菌)+プレバイオティクス(エサ)
- ただし“協力して働く設計”でなくてもよく、それぞれが独立して健康利益に寄与するイメージ(※1)。
- さらに、「組み合わせとして」健康利益が確認されないなら synbioticと表示すべきでない、という整理もあります(※1)。
相乗型(synergistic synbiotic)
- “この菌に、このエサを食べさせる”みたいに、基質が共投与の微生物に選択的に利用されるよう設計されたもの(※1)。
- 実験設計も難しく、実際の市販品や試験は補完型が多い、という説明があります(※1)。
ここだけ覚えてOK
補完型=“一緒に摂る”
相乗型=“ペアで設計されている”(ただし現実は少ない)
相性の良い組み合わせ例(初心者/中級者)
ここは大前提を1つ。
食品の組み合わせは“シンバイオティクス的な食べ方”にはなりますが、厳密には「健康利益が確認されたsynbiotic製品」とは別です(ラベルに載る“synbiotic”は本来、組み合わせとしての検証が必要)(※1)。
その上で、現実的に使いやすい「プロ×プレ」例。
初心者(失敗しにくい)
- 発酵乳(ヨーグルト等)+オーツ(βグルカン)
→ “胃腸が荒れやすい人”でも比較的調整しやすい - ビフィズス菌系(製品に明記)+GOS/FOS少量
→ いわゆる「乳酸菌 オリゴ糖 一緒」の王道。ただし量が多いと張るので小さく開始 - 納豆+(少量の)もち麦
→ “毎日やりやすい”のが最大の強み(効果云々より継続力)
中級者(腸が安定してる人向け)
- 複数菌株(マルチ)+イヌリン
→ うまくハマる人はいるが、張りやすい。健康成人のシンバイオティクス介入でも最初の2週間に張り・ガスが特に報告されています(※2)。 - (相性が良いと感じる菌)+難消化性デンプン(レジスタントスターチ)
→ 人によっては快適だが、IBS傾向は慎重に
張りやすい人の組み方(少量・段階)
張りやすい人がやりがちなのが、
「菌もエサも“最初から最大火力”」。だいたいこれで爆発します。
ルールは3つだけ
- 菌かエサ、どっちか片方から(同時スタートしない)
- 増やすのは3日に1回(毎日増量しない)
- 張ったら「やめる」じゃなく “戻す”(量を半分→数日固定)
段階テンプレ(サプリ併用でも食品でも同じ)
- Step1(1週目):プロだけ(推奨量より少なめ)
- Step2(2週目):プレを“耳かき1杯レベル”で追加
- Step3(3週目):問題なければプレを少しずつ増やす
- Step4:必要なら“相乗型設計の製品”を検討(ラベルの根拠を確認)
※健康成人の試験でも「概ね耐容」でも、序盤に張り・ガスが出やすいのは起こり得ます(※2)。
IBS傾向の人は、さらに慎重に
IBSは“腸が敏感な状態”なので、プロ・プレの当たり外れが出やすいです。ACGのIBSガイドラインでは、プロバイオティクスを全体症状の治療としては推奨しない(エビデンスが弱い)とされています(※3)。
→ こういう人ほど「少量・単独・ゆっくり」が必須。
FAQ
Q. シンバイオティクスとは?
A. ISAPPの整理では「生きた微生物+選択的に利用される基質の組み合わせで健康利益があるもの」(※1)。
Q. 2タイプってなに?
A. 補完型(プロ+プレが独立に働く)と、相乗型(基質が共投与の微生物に選択的に利用される設計)です(※1)。
Q. 乳酸菌とオリゴ糖を一緒に飲めばOK?
A. “発想”としては合ってるけど、合う量・合う種類がある。さらに本来「synbiotic表示」は組み合わせとして健康利益が確認されるべき、という整理があります(※1)。
Q. サプリ併用の注意点は?
A. 一番の注意は量。菌もエサも同時に増やすと張りやすい。最初は片方だけで様子見、次に少量追加が安全です。序盤に張り・ガスが出やすい報告もあります(※2)。
Q. お腹が張る。やめたほうがいい?
A. 「一旦量を戻す」が先。張りが強いならプレ(特に発酵されやすい繊維)を減らして、数日固定。落ち着いたら再スタート。続くなら無理せず中止して医療者に相談。

まとめ
シンバイオティクスは、腸活の中でも“気持ちよくハマると強い”けど、雑にやると挫折しやすいジャンルです。
まず定義として、ISAPPはシンバイオティクスを「生きた微生物+選択的に利用される基質の組み合わせで健康利益があるもの」と整理し(※1)、さらに補完型と相乗型の2タイプを区別しています(※1)。
そして重要なのが、補完型(プロ+プレ)であっても「組み合わせとして健康利益が確認されないならsynbioticと表示すべきでない」という考え方が示されている点です(※1)。
現実のつまずきはシンプルで、**併用で“腸がびっくりする”**こと。健康成人を対象にしたシンバイオティクス介入でも、全体としては耐容でも、最初の2週間に張り・ガスが特に報告されています(※2)。
だから勝ち筋は「相性探し」より前に、少量・段階・固定期間。これだけで成功率が上がります。
また、IBS傾向など“腸が敏感”な人は当たり外れが大きい領域です。ACGのIBSガイドラインでは、プロバイオティクスを全体症状の治療としては推奨しない提案が示されており(※3)、こういう人ほど慎重な導入が必要です。
結論:
「プロ×プレを一緒に」自体は筋がいい。
でも、一気に増やすのは負け筋。
“続く量”で、段階的に。これがシンバイオティクスの最適解です。
参考文献
※1 The International Scientific Association for Probiotics and Prebiotics (ISAPP) consensus statement on the definition and scope of synbiotics. Nature Reviews Gastroenterology & Hepatology. 2020.
※2 Synbiotic Intervention with Lactobacilli, Bifidobacteria, and Inulin in Healthy Volunteers Increases the Abundance of Bifidobacteria but Does Not Alter Microbial Diversity. 2022.
※3 ACG Clinical Guideline: Management of Irritable Bowel Syndrome. The American Journal of Gastroenterology. 2021.
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為・診断・治療の代替ではありません。腹痛、血便、発熱、体重減少などの症状がある場合、または基礎疾患がある方・妊娠中の方・薬を服用中の方は、食事やサプリの導入・変更前に医師・薬剤師など医療専門職へご相談ください。特にIBSなど消化器症状が強い場合は自己判断での増量を避けてください。




