「腸活するなら食物繊維!」ってよく聞くけど、実際は**“どの繊維を”“どれくらい”“どう増やすか”で結果が変わります。
雑に増やすとお腹が張る・ガス・下痢・便秘悪化**も普通に起きるので、この記事では「腸活目線」で食物繊維を丸ごと整理します

60秒でわかるこの記事のポイント!
- 食物繊維は水溶性・不溶性・発酵性で働きが違う(“全部同じ”じゃない)
- 目標量は日本の基準(食事摂取基準2025)を摂取(男20〜22g以上/女17〜18g以上が目安)(※1)(※2)
- **便秘→まずは“水溶性+発酵性を少しずつ”**が安定(※3)
- **下痢・IBS気味→“発酵しにくい水溶性(例:サイリウム)寄せ”**が無難(※4)
- お腹が張るのは「腸内細菌が慣れてない」ケースが多い。増やし方が9割(※3)
- 1週間で増やすテンプレを使えば、失敗しにくい
食物繊維とは?腸活で強い理由
食物繊維は、ざっくり言うと**「小腸で消化されにくく、大腸まで届く成分」**です。だから腸活と相性が良い。
用語メモ:食物繊維
人の消化酵素で分解されにくい成分の総称。大腸に届いて、便の性状・腸内細菌・腸内環境に影響します。
腸活目線での“強さ”は主に3つ:
- 便の材料になる/便を動かす(便秘対策)(※3)
- 腸内細菌のエサになる→発酵→短鎖脂肪酸(SCFA)などが作られる(その過程でガスも出る)(※5)
- 食後血糖やコレステロールに効くタイプがある(特に水溶性)
例:オーツ麦βグルカンは、一定量でコレステロール低下の表示要件が示されています(※6)
用語ミニ解説:短鎖脂肪酸(SCFA)
腸内細菌が食物繊維などを発酵して作る代謝産物(酢酸・プロピオン酸・酪酸など)。腸活でよく出る“ポスト”の代表格。
食物繊維の種類:水溶性・不溶性・発酵性
ここがこの記事の“ど真ん中”。目的に合わせて選ぶための土台です。
用語メモ:3分類(超ざっくり)
- 水溶性:水に溶けて“ゲル状”。便をやわらかくしやすい
- 不溶性:水に溶けにくい。便のカサ増しになりやすい
- 発酵性:腸内細菌が発酵しやすい(ガスが出やすい反面、腸活コア)
水溶性:特徴と食品
特徴
- 水分を含んで粘性が出やすく、便をやわらかくしやすい
- 胃腸が敏感な人でも比較的扱いやすいことが多い(ただし“発酵性が高い水溶性”は別)
食品例
- オーツ麦(オートミール)、大麦
- 海藻(わかめ・昆布など)
- 果物(りんご、柑橘)
- 豆類(※水溶性も不溶性も混在)
不溶性:特徴と食品
特徴
- 便のボリューム(カサ)を増やしやすい
- ただし体質によってはお腹の張り・痛みが出やすいことも(IBS気味は注意)(※4)(※7)
食品例
- 玄米、全粒粉、ふすま(ブラン)
- きのこ、野菜(葉物など)
- 豆類、ナッツ
発酵性:イヌリン/難消化性デンプン/βグルカン
発酵性=腸内細菌が“食べやすい”繊維。
メリットは腸活ど真ん中、デメリットはガス・張りが出やすい。
用語メモ:短鎖脂肪酸(SCFA)
食物繊維などを腸内細菌が発酵して作る成分(酢酸・プロピオン酸・酪酸など)。大腸の環境に関与します(※5)。
- イヌリン:発酵しやすい代表格(玉ねぎ・ごぼう・チコリ等)。増やし方をミスると張りやすい
- 難消化性デンプン(レジスタントスターチ):小腸で消化されず大腸へ行くデンプン。発酵してSCFA産生に関与(※5)
- βグルカン:オーツ麦などに多い水溶性寄りの繊維。一定量摂取でコレステロール低下の表示要件が示される(※6)
目的別:便秘・下痢・ダイエットで優先すべき繊維
便秘なら:まず「水溶性+少量の発酵性」
- いきなりブラン爆盛り(不溶性偏重)は、合わない人は合わない
- まずは水溶性のベースを作って、発酵性は少しずつ
- 慢性便秘の初手として、食物繊維(特にサイリウムなど)が選択肢に入ります(※3)
実践しやすい順(目安)
オーツ・海藻・とろろ・オクラ → 納豆/豆 → 冷やご飯系(レジスタントスターチ) → ブラン系
下痢・お腹ゆるいなら:「発酵しにくい水溶性」寄せ
IBSやお腹が敏感な人は、“食物繊維を増やせば正義”ではないです。
- IBSでは不溶性より水溶性を推奨する流れがあります(※4)(※7)
- NICEのIBS指針でも、食物繊維の増やし方(高繊維食の扱い)やレジスタントスターチへの注意が言及されています(※8)
無難な組み方
- まずは白米+汁物+やわらかい野菜を基本に
- 食物繊維は、**オーツ・にんじん・じゃがいも(皮なし)**など“比較的マイルド”から
- 発酵性の強いもの(玉ねぎ・大量の豆・イヌリン大量)を急に増やさない
ダイエットなら:「水溶性+発酵性」を“増やし方が上手い人”が勝つ
- 腹持ち・食後の波を抑えやすいのは水溶性が便利
- ただし発酵性を雑に盛ると、張りで継続が死ぬ
→ 結論:増やす速度を管理できる人ほどダイエットに活かせる
目標量(日本:食事摂取基準2025の“目標量”)
- 男性:18–29歳/75歳以上 20g以上、30–64歳 22g以上、65–74歳 21g以上
- 女性:18–74歳 18g以上、75歳以上 17g以上(※1)
食物繊維を増やすとお腹が張る理由と対策
張る原因はだいたいこの3つです。
- 腸内細菌が急に“エサ増量”されてガスが増える(発酵性あるある)
- 水分が足りず、便が硬くなって詰まりやすい(※3)
- 不溶性に偏って便の量だけ増えて、動きが追いつかない(体質次第)
対策の大原則:
- 増やすのは“量”じゃなく“習慣”
- 水分とセット(※3)
- 発酵性の強いものは“少量から”
ガスが出る/下痢になる/便秘が悪化する時の調整
ガスが増える(張る)
- 3日だけ「発酵性」を一段落とす(豆・玉ねぎ・イヌリン・冷や飯系を減らす)
- 水溶性の“発酵しにくい寄り”に避難(例:オーツ、海藻、とろろ)
- 食物繊維を増やす時にガス(flatulence)が副作用として起きやすいことはガイドラインでも言及(※3)
下痢になる
- 発酵性を減らして、まずは消化に優しい主食+汁物へ
- 食物繊維は“やわらかい野菜+オーツ”くらいまで戻して再スタート
- 改善しなければ、食物繊維以外(脂質・乳糖・甘味料など)も疑う
便秘が悪化する
- まず水分・運動(歩く)が不足してないか
- 不溶性を盛りすぎてるなら、いったん減らす
- 水溶性(オーツ、海藻、とろろ)を増やす
- それでもダメなら「量」ではなく「タイミング(毎日一定)」へ
FAQ
Q. 水溶性と不溶性、結局どっちが大事?
A. 体感の失敗が少ないのは水溶性。腸活を回すなら発酵性も大事。不溶性はハマると強いけど、合わない人もいる。IBS領域では“水溶性推し”が基本です(※4)(※7)。
Q. 発酵性食物繊維って、結局なにが良いの?
A. 腸内細菌が発酵して短鎖脂肪酸などに関与します(※5)。ただし増やし方が雑だと張りやすいので、少量スタートが前提。
Q. 食物繊維を増やしたらお腹が張る。向いてない?
A. “向いてない”より“増やす速度が速い”が多いです。ガイドラインでも、繊維でガスが増えやすい点は触れられています(※3)。3日単位でゆっくり増やして、発酵性を一段落とすと改善しやすい。
Q. サプリ(イヌリンとか難消化性デンプン粉末)ってアリ?
A. 食事で足りない分を埋める用途ならアリ。ただし**張りやすい人ほど“食品→少量→様子見”**がおすすめ。便秘の第一選択としてはサイリウムが比較的エビデンスが整理されています(※3)。
Q. どれくらいで効果が出る?
A. 体感(便通・張り)は数日〜2週間で変わる人が多いです。腸内細菌の最適化は“積み上げ”。
Q. 食物繊維は多ければ多いほど良い?
A. いいえ。まずは日本の目標量(※1)に乗せて、問題なければ次の段階へ。IBS気味は“増やしすぎ”が普通に症状を悪化させます(※8)。

まとめ
食物繊維は「腸活の中心」だけど、雑に増やすと失敗する栄養素でもあります。ポイントは3つ。
1つ目は、種類で働きが違うこと。水溶性は便を整えやすく、不溶性は便のカサ増しに寄りやすい。発酵性は腸内細菌のエサとして腸活コアだけど、ガス・張りを起こしやすい。つまり「食物繊維=全部同じ」ではなく、あなたの腸の状態に合わせて“配合”を変える必要があります。IBS領域では、全体として不溶性より水溶性が推奨されやすいのも、この性質差が背景です(※4)(※7)。
2つ目は、目標量は“まず到達する地点”を決めること。日本の食事摂取基準(2025年版)では、成人で女性は17–18g以上、男性は20–22g以上(年齢で差)を目標量として設定しています(※1)。一方で、生活習慣病リスク低下に寄与しうる摂取量として25–29g/日が示唆される、という整理もあります(※2)。だから戦略はシンプルで、①目標量に乗せる → ②体調が良ければ25g方向へ。この順番が一番事故りません。
3つ目が最重要で、**増やし方(速度)**です。張る・ガス・下痢・便秘悪化は、体質もあるけど「増やすのが速すぎる」ことが多い。ガイドラインでも繊維でガスが増えやすい点や、水分の重要性が触れられています(※3)。1週間テンプレのように、3日単位で、1品ずつ増やす。張ったら発酵性を一段落として、水溶性寄せで立て直す。これが腸活の“勝ちパターン”です。
参考文献
※1:健康長寿ネット「食物繊維の働きと1日の摂取量」(日本人の食事摂取基準2025の目標量の要約)
※2:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定ポイント」(25–29g/日と生活習慣病リスク低下の整理)
※3:Chang L, et al. AGA/ACG 慢性便秘(CIC)に関するガイドライン要約(繊維・水分・副作用の記載)
※4:ACG Clinical Guideline: Management of IBS(可溶性繊維推奨/不溶性は推奨しない)
※5:Topping DL, Clifton PM. Resistant starch と発酵・短鎖脂肪酸(SCFA)
※6:EFSA(オーツβグルカン:1日3gが表示要件の目安)
※7:Chey WD, et al. AGA Clinical Practice Update(IBSで不溶性繊維を避け、水溶性を推奨する趣旨)
※8:NICE IBS ガイドライン(高繊維食・レジスタントスターチ等への言及)
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断・治療を代替するものではありません。腹痛、血便、体重減少、発熱、貧血などの症状がある場合や、持病(IBDなど)・妊娠中・服薬中の方は、食事変更やサプリ導入前に医師・管理栄養士へご相談ください。




